相続放棄の特異性と共通点

西友がヨーカ堂やイオンにない特徴は、成長が期待される首都圏でのシェアの高さにある。
これは前述したように西友の高コスト体質につながり、W社のもっとも忌み嫌う部分だが、短所は長所だ。 せっかく資金を出したのだから、カネにシビアなW社のことだ、上手に活用してくるにちがいない。
メキシコではリテールリンクによるメーカーとリテイラーの密接な関係を築くのに3年かかったが、日本では5年かかると見て段階的買収方式にしたのだろう。 もし、リテールリンクができなければEDLPは実施できないから、最良の代替方法が見つからなければサヨナラする腹づもりだったのだろう。
ともかくこの間、素早く西友店舗で日本の消費者心理をつかむ実験をしていく。 西友店舗で中国メーカーの低価格商品を売ったり、「ロールバック」を実施して商品の品揃兄や販促策などで目新しい実験をしているのはこのためだ。
1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の全スーパーの売上高は約8兆4000億円に達する。 このうち西友が展開するエリアの売上高は、約5.7%でおよそ4800億円。

まず、これを元手に売り上げを伸ばすことを考え、西友店舗を「西友・Wマート」にし首都圏制覇の足がかりにする。 改装効果とコストダウンにより、西友の企業体力が強まれば、より積極的な対抗策を打ち出せるし、ここにW社のシステムが乗っかれば、西友の再生はより現実昧を帯びてくる。
そこで、新たな買収に乗り出す。 リテールリンクが動き出せば、西友から吸収したノウハウを活かして日本向けにスーパーセンターとネイバーを折衷したフォーマットを新たに作る。
この際、ダイエーのバイパーマーケット型店舗を買収するかもしれないが、ダイエーも現在大型の郊外型店舗はドル箱で簡単に手放さないだろうから、これは今後のダイエー次第だ。 これが最も現実的なシナリオだ。
もう1つは、時期は未定としているものの、すでに明らかにしているように日本法人を設立した後に、中堅SMを買収し、住商の子会社であるサミットやマミーマートを核にSMを中心に展開するという方法だ。 同時に、せっかく西友とパートナーを組んだのだから西友を通して大手リテイラーを買収し、とりあえず一気にシェアを拡大したうえで、店舗フォーマットは日本独自のものを開発し、食品売場は西友に丸投げして、中身のシステムだけをW社にする。
こうして西友をWマート化して、効率経営で体質を強化していく。 ひょっとするとその後、1度手放した良品計画やファミリーマート、もしくは西武百貨店まで西友の下に置くかもしれない。

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